~誰しもが感じたことがあるであろう「肩こり」 平成28年に厚生労働省が発表した「国民生活基礎調査の概況」(P18 世帯員の健康状況より引用)によると、女性で自覚症状を感じている中で1番多かった自覚症状が「肩こり」でした。
肩こりを自覚している人の割合はなんと8割越え!
男性でも2番目に多かったのが「肩こり」という結果となりました。
ほとんどの方は、「肩こり」に悩まされていたり、自覚しているという事になりますね。
しかし、それはあくまで自覚症状…
肩こりだと思っていた症状が、専門家がしっかり評価すると”ただの肩こりではなかった”というケースをよく診てきました。
その代表的な疾患が「胸郭出口症候群」です。
今回は、肩こりだと勘違いされやすい胸郭出口症候群について記載していきます~
本文テキスト
初めて聞く方も多いかもしませんが、名前だけ聞くと「ヤバい疾患なのでは…」と心配になるかもしれません。
安心してください!
胸郭出口症候群は、初期の段階で適切な処置・治療を行えば、よくなる疾患です。
字列だけ見るとたいそうな名前ですが、言葉を分けて考えるとイメージしやすいと思います。
① 胸郭とは?
胸郭は、背骨と肋骨と胸骨で囲まれた部分のことを言います。
なので、この胸郭の中には心臓や横隔膜など、胸郭と言われる骨に守られているような状態です。
② 出口ってどこ?
正確には胸郭に、入り口も出口もないのですが、この疾患名で指している出口とはここになります。
要するに、この出口部分で問題が起こると症状が出てしまうということになります。
では、胸郭出口症候群は、何が原因で出口部分に問題が起こるのか?
また、胸郭出口症候群になると、どのような症状や状態になるのか解説していきます。
原因の多くは、「筋肉の過緊張」です。
胸郭の出口には首を支える筋肉が密集しています。
その密集している筋肉の隙間より、肩周りや腕に行く神経や血管の圧迫により、症状を引き起こします。
この状態になると特徴的な症状として…
・首肩のコリ感
・腕全体のダルさ、痺れ感
・指先全体の冷え感、むくみ感
・腕を挙げていると、だんだん重たくなってくる
・仰向けで寝ていると鎖骨の下らへんかた腕にかけてツラくなってくる
また、症状が慢性化していくと、自律神経機能にも影響を出してしますため
◆ 腕や手の筋力低下
◆ 呼吸が浅くなる
◆ 不眠症
◆ 眩暈、耳鳴り、ふらつき感
◆ 食欲低下、胃腸障害
などを引き起こします。
どうしても、初期症状が単なる肩こりに似ているため、放置してしまう方や重要視しない方が多いのが現状です。
その為、胸郭出口症候群の方は、慢性化してからのご来院が多いです。疾患や症状は積み重ねた期間だけ、完治までに施術期間がかかってしまいます。
なので、患者様自身も身体の症状や疾患に対して、知っておく必要があります。
なかなか治らない肩こりで悩んでいる方は、次のチェックリストでご自身の状態を確認しましょう。
胸郭出口症候群は確かに肩こりとも似てはいますが、特徴的な症状もあります。
下記のチェック項目を確認しましょう。
① | リラクゼーションに行っても、すぐに症状が戻る |
② | 電車のつり革を持つと腕が重だるくなる、痺れ感が出る |
③ | 肩や腕が辛くて、ドライヤーで髪を乾かせない |
④ | カバンや重たい買い物袋を持っていると、しんどくなってくる |
⑤ | 仰向けになると鎖骨らへんから重だるくなるので、横向きで寝てしまう |
⑥ | 歩いていても腕全体が重だるく痺れ感がある |
⑦ | 冬はもちろん、夏場でも指先全体の冷え感や浮腫みを感じる |
⑧ | 握力が落ちている。左右で力の入り方が違う |
⑨ | 首の動きよりも肩や腕の動きで症状が増す |
⑩ | 眩暈、吐き気、不眠、胃腸障害、頭痛、全身倦怠感がある |
さらに、胸郭出口症候群になりやすい人の特徴も記載します。
① | 猫背をよく指摘される |
② | なで肩 |
③ | 筋トレ好きで、首や肩周りの筋肉が発達し過ぎている |
④ | ストレートネック |
⑤ | 肥満体型 |
⑥ | 生活環境(デスクワーク、長時間の抱っこ、スマホのやり過ぎなど) |
⑦ | 過去の交通事故や首や肩のケガ(肩の脱臼など) |
いかがでしょうか?
肩こりを感じている方で、どれか一つでも当てはまるようであれば、あなたの身体を正しく評価して、適切な治療・施術をしてくれる整形外科や治療院に行かないと症状は良くなりません。
でも、正しく評価してくれるところなんてわからない…
そんな方は、受診した治療院などが、しっかりと胸郭出口症候群を理解したうえで
あなたに分かりやすく説明してくれたかどうかをしっかり見ていてほしいです。
あなたの身体を見抜いて、分かりやすく説明してくれる先生は、胸郭出口症候群を理解して、適切な施術をしてくれる先生です。
ポイントは、先生自身が患者様の治療ポイント理解して、その説明をしてくれるかどうかです。
治療ポイントをわかっていない先生だと、どんなに施術を受けても緩解には至らないかもしれません。
胸郭出口症候群の治し方は、一言で言えば「圧迫を解除」してあげることです。
圧迫ポイントは大きく分けると3つです。
患者様によっては、1箇所のみ圧迫されているケースもあれば、2か所の圧迫があるケースもあります。
それを見抜けるのも専門家の腕の見せ所だったりします。
この圧迫ポイントを解除するアプローチ方法として
① 鍼
② 手技療法(指圧など)
③ 温熱療法
④ 電気療法
これらのアプローチが局所的な施術に効果的であり、状態によってはその場で症状が緩解させられます。
ですが、その場での改善はみられたけど、何日か経つと症状が徐々に戻っていく…
そのような方は、「猫背」「姿勢」を治さないと根本改善になりません。
なぜなら、猫背姿勢で生活をしていると、圧迫ポイントを構成する筋肉が硬くなるからです。
いくら筋肉を柔らかくしても、元の状態に戻してしまうような姿勢で生活をしていれば症状は良くなりません。
なので、理想的な治し方は…
① 局所的な圧迫を解除して、症状を緩和させる
② 圧迫を助長する原因となる猫背(姿勢不良)を改善させる
この2つの治し方を患者様のお身体や状態に合わせて、的確な施術を行なってくれるところに行きましょう。
そうすれば、肩こりや胸郭出口症候群の症状で悩みことはなくなると思いますよ!
受付時間
平日 10:00~19:00
土曜 10:00~18:00
休診 日・祝 第1水曜日13時最終受付
TEL/FAX 03‐3706‐8917
〒156-0052
東京都世田谷区経堂1‐18‐11 山田ビル1F
24時間ネット予約ができます!
当院の院長
ミスターちん公式ブログ
https://ameblo.jp/mister-chin/