閉経を挟んで前後5年間の事をいいます。
日本人女性の平均閉経年齢が52歳なので概ね45歳から55歳辺りに迎える方が多いです。
この時期、女性の身体は卵巣機能が著しく低下する為若い時と同じように女性ホルモンを分泌できません。
その為、自律神経がパニックを起こして多様な症状を引き起こします。
そういった身体的不調に加えて仕事や家庭環境からくるストレスも重なって様々なツライ症状を感じるようになります。
これが更年期症状です。
そして更に日常生活に支障をきたす状態を更年期障害と言います。
以前の更年期といえば、哀しい捉え方をされていましたが、最近では心と身体をリセットできる時間であり、充実した高齢期を迎える為の変革期とポジティブに捉える女性が増えています。
その為にも今のご自身の不調の状態を自覚しましょう
・血管運動系の症状。
・下半身は冷えているのに突然上半身(特に顔面部、頭部)が熱くなる。
・血管運動系の症状。
・暑くもないのに急に顔が紅潮する。
・動悸が止まらなくなる。
・血管運動系の症状。
・涼しいのに汗が止まらない。
・精神神経系の症状。
・気分の落ち込み、絶望感などに急に襲われる。
・又はイライラが止まらない。
・精神神経系の症状。
五大症状はあくまで目安となるもので、これ以外にも様々な症状が現れます
~チェック方法~
症状の程度に応じて自分で〇をつけ、その点数を元にして合計点で治療方針を考えます。
・強:毎日のように出現
・中:毎週みられる
・弱:症状として強くはないがある
~更年期指数の自己採点評価法~
・0~25点 上手に更年期を過ごしています。これまでの生活態度を続けて行きましょう。
・26~50点 食事、運動に注意をはらい、生活様式などにも無理しないようにしましょう。
・51~65点 医師の診察を受け、生活指導、カウンセリング、薬物療法を受けた方がいいでしょう。
・66~80点 半年以上長期間の計画的な治療が必要でしょう。
・81~100点 各科の精密検査を受け、更年期障害のみである場合は専門医での長期的な対応が必要でしょう。
更年期障害の症状は多様です。
なので治療も症状に合わせて変わってきます。
例えば更年期障害症状でよくみられるのが「ホットフラッシュ」です。
(突然起こる一時的な火照りの症状。顔の火照りや発汗などの症状を伴う為「顔面紅潮」とも呼ばれます)
「ホットフラッシュ」の場合(東洋医学的に考えると)、腎(腎臓という意味ではなく機能としての腎)のエネルギーが加齢により弱まると腎水(東洋医学で腎は水と関係しています)が
枯れてしまい肝(肝臓という意味ではなく機能としての肝)の熱の暴走を止める事ができずに上にこもってしまいます。
この為に急な火照りや発汗などの症状がでます。
この症状を緩和するにはまずは弱ってしまった腎のエネルギー(気)を引きあげる事が大事になってきます。
腎と肝は(東洋医学的に)親子関係にあるので親の腎を元気にする事で子供の暴走を止めることができます。
このように腎と肝にアプローチする事で「ホットフラッシュ」を緩和することができます。
ただ更年期障害は其々の症状を緩和するだけでなく更年期障害になりにくい身体を作ることが大事になってきます。
その為には鍼灸治療だけでなく日々の生活リズムの見直しや偏った食生活を改める事も必要です。