日常生活に支障をきたすほどの痛みがある場合は 「月経困難症」といいます。
子宮や卵巣になんらかの病気が隠れているもの(器質性)や 特に病気はないがストレスや体質で痛みがでるもの(機能性)が あります。
その痛みの原因は子宮内膜から分泌されるプロスタグランジンという 物質によるものです。プロスタグランジンはホルモンに似た物質で 子宮を収縮させ子宮への血流量を減少させ、 子宮内の神経を痛みに敏感にさせる作用があります。
更に胃腸の働きにも影響を与え吐き気や下痢の原因にも…。
またストレスや冷えなどで分泌量が増えると言われいます。
生理痛のある女性では、 子宮内膜や経血に含まれるプロスタグランジンの量が 生理痛のない女性より多いこともわかっています。
根本になるのは、「肝」(肝臓という事ではなく機能としての肝)の「気」がストレスや体質などで滞ってしまうと血(液)を動かすことができず(東洋医学では「血を動かすのは気」)血(液)の停滞を引き起こします。この停滞が痛みを引き起こします。
なので先ずは「肝」の気が正常に流れる事が大事と考えます。
また生理痛のある方の殆どは手足、下腹部に「冷え」があります。
これは「腎」(腎臓という意味ではなく機能としての腎)の働きが弱まってしまい「陽の気」を高める事ができなくなり「冷え」を感じるようになります。
「腎陽」を高める事で「冷え」によるツライ症状も緩和していきます。
生理による貧血症状で苦しんでいる方も多くいらっしゃいます。
これは「脾」の働きが追いついていない(または「脾」の働きが追いつけない程の出血がある)
ということです。
東洋医学では取り入れた栄養素から「血」や「気」をつくり貯蔵するのは「脾」の機能とされています。また「血」が外に漏れ出さないようにしているのも「脾」の働きによるものです。
このように生理痛に対する治療としては「肝腎脾」の機能を高める事で様々な症状に対処しつつ、今後の事なども話し合いながら体質改善していきます。
生理痛は其々の症状を緩和するだけでなく、そこに隠れているかもしれない疾患を理解してそれに対処する事が大事です。