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ぶんのいち通信
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レントゲンでは分からない腰痛…その正体とは?

2018.10.26

◇レントゲンでは分からない腰痛…その正体とは?◇

 

腰が痛くて整形外科などを受診された方は多いかと思います。

しかし、レントゲンをとってもらっても「骨には異常はないね」「痛みが落ち着くまで飲み薬と湿布で安静にしてね」

 

このように言われた経験はありませんか?

 

急性腰痛(ぎっくり腰)・慢性腰痛ともに痛いのにレントゲン上には異常が診られない。

人によってはMRIをやっても特に異常がない…

 

そのような場合、非特異的腰痛と言われる腰痛の可能性が高いです。

一般の方では聞きなれない言葉だと思いますので、今日は非特異的腰痛について記事にしていきます。

 

1 非特異的腰痛とは?

 

医療従事者は患者様より腰痛で悩んでいます。と言われた際、「特異的腰痛(とくいてきようつう)」もしくは「非特異的腰痛(ひとくいてきようつう)」のどっちなのか?を見極めています。

 

特異的腰痛とは、腰痛で整形外科を受診した際、医師よる問診やレントゲン、MRIなどの画像検査を経て、症状の原因が見つかり「椎間板ヘルニア」「腰部脊柱管狭窄症」「圧迫骨折」「腎盂腎炎」などのような病名がつくものを指します。

 

実は医師より病名がきちんとつく腰痛は全体の15%程度と言われています。

 

すなわち残りの腰痛の85%はさまざまな検査をしても、痛み・痺れ・症状の原因が明確に見つかりません。

 

 

つまり、非特異的腰痛とは、原因が特定することの出来ない腰痛の事を言うのです。

 

ぎっくり腰で動けなくなり、整形外科を受診した方で医師より「骨には異常はないね」「筋肉か関節に炎症が出てるでしょう」のような曖昧な事を言われた経験はありませんか?

 

実はぎっくり腰も非特異的腰痛の1つだから本当のところは、どこに損傷・原因があるか明確にはわからないのです。(※そうではない場合もあります。)

 

もちろん痛みや症状があるので、椎間板や腰椎、その周囲の組織に何らかの損傷が起きているのですが、画像検査ではその異常が何なのかはっきりしないからです。

 

その為、先ほどのような診断結果となる事が多いのが腰痛です。

 

もし自分が特異的腰痛なのか非特異的腰痛なのかは整形外科に受診するのが一番早いのですが、今すぐ行けない方は、まずは該当するかチェックリストを確認してください。

 

 

安静にしていても症状が治まらない。楽な姿勢が全くない

夜も症状が酷く眠ることができない、寝返り等に関わらず痛みで目が覚める

激しい痛み、痺れがお尻から指先まで広がる

足に力が入らない。長時間の歩行ができない

発熱、微熱が続き、何もしていないのに体重が減少傾向。

尿が2日以上でていない。尿意を全く感じない

転倒、転落、接触、交通事故などの外傷後の痛みで日常生活に支障が出る

 

 

もし、これらに当てはまる場合は、今すぐ整形外科等の医療機関を受診してください。

 

逆にこれらに当てはまらない場合は、非特異的腰痛の可能性が高いです。(自己判断はしないように)

 

非特異的腰痛の治療に関しては、鍼灸院、接骨院などのような治療院で施術を受けることができます。

 

そして、非特異的腰痛のタイプをしっかりと理解して施術してくれる治療院であれば、たいていの腰痛はよくなると思ってください。

 

非特異的腰痛には大まかに4つに分けられます。

 

1、筋筋膜性腰痛

2、椎間板性腰痛

3、椎間関節性腰痛

4、仙腸関節性腰痛

 

これらについて記載していきます。

 

 

2 筋・筋膜性腰痛

 

 

 

筋筋膜性腰痛とは、その名の通り筋肉や筋膜といった組織の傷みのよる症状だと考えられています。

 

非特異的腰痛の中でも発生頻度の高い腰痛の1つです。

 

考えられている原因としては、筋肉、筋膜の疲労、筋断裂、筋膜を通る皮神経の絞扼など挙げられます。

またお尻の筋肉の疲労や硬さなどが原因で筋筋膜性腰痛を発症させます。

 

 

筋筋膜性腰痛の場合、患者さんの訴えとしては①前かがみが出来ない、痛みが出る。②コリがあり、そこを押すと痛みがでる。③動くと痛みが出るけど、安静にしていたら問題がない。④温めると楽になる。などが特徴的です。

 

更に姿勢的に診ると背中の丸み(円背)が強かったり、腰の反りが無かったりすると筋筋膜性腰痛の場合が高くなります。

 

問題になっているのは①筋肉の疲労。②筋力の低下。③股関節の柔軟性の低下、これらに当てはまる場合は筋筋膜性腰痛になっているパターンがほとんどなので、この3つをまずは改善させる必要があると考えています。

 

 

 

3 椎間関節性腰痛

 

腰椎と腰椎を繋ぐ関節の事を「椎間関節」といいます。

 

この原因には、椎間関節の変形や歪み、可動性の異常、ケガなどがきっかけとなり、関節の動きなどを良くしてくれる関節包の炎症や関節付近の神経に負担がかかり、痛みや痺れなどが発生すると考えられています。

 

症状の特徴として、①腰、仙骨付近で左右どちらかのみに傷みが出ることが多い。②腰を反らす、または反らしながら捻る動作で痛みがピンポイントで強くなる。③そもそも腰を反らすことができない。④人によっては、お尻や太ももにも関連した痛みがある。

 

姿勢から診ると骨盤が前に傾く(骨盤前傾タイプ)で反り腰の人に多く診られます。

 

このタイプの場合、まずは痛みを出させている関節の炎症や神経への負担を軽減させる必要があります。

さらに関節の歪みが原因の場合は、歪みを治す施術を行ないます。

 

 

4 椎間板性腰痛

 

 

背骨と背骨の間にクッションがあって…という話を聞いたことはありますか?

 

そのクッションが椎間板のことです。

 

腰痛のタイプには、このクッションである椎間板に過度の負担がかかり痛みが出たり、椎間板が変性して炎症や痛み物質を生み出すことから痛みが出ると考えられています。

 

椎間板ヘルニアとは、この椎間板の中に入っているゼリー状のものが飛び出たことを指します。

 

椎間板性腰痛を発症している患者さんの症状として、①腰全体にはっきりとしない深部で重苦しい症状。②腰が沈み込むような椅子やソファーで痛くなる。③起床時や同一姿勢をとったあとの始めの動作でこわばるような腰痛を感じる。④せき、くしゃみ、お腹周り力むと響くような腰痛などを訴えます。

 

姿勢的な観点で見ると、圧倒的にお腹が出ている人に多く診られる腰痛です。

急激な体重増加と運動不足に自覚のある方は注意が必要です。

 

治療方針は、椎間板に負担をかけないような生活と体型、筋力の改善が必要となります。

 

 

 

5 仙腸関節性腰痛

 

仙腸関節

 

 

仙骨と腸骨を繋ぐ関節のことを仙腸関節といいます。

 

突発的な動作、骨盤の歪み、骨盤周囲の筋肉の問題などが原因となり、仙腸関節の微妙なズレによって起こるタイプです。

 

特徴としては、①仙骨付近の痛み(仙骨の出っ張っているところ)、②腰の症状が強くなると連動して、太ももの外側やすねの外側に痛みが出る。

 

姿勢から診て一番多いのが骨盤の歪みです。

特に産後の骨盤ケアが出来なかった人などに多く診られます。

 

原因は仙腸関節のズレによる関節包や神経への負担なので、関節を正しい位置に戻してあげることで、その場の症状が軽快することが多いです。

 

 

 

このように腰痛と言ってもタイプによって痛めている場所や原因は様々です。

特に非特異的腰痛は、画像などでは原因が分からないため、正しい知識と経験のある医療従事者でなければ施術対応は難しいのでは?と考えています。

 

では、これらのタイプに対して、どのような施術を受けることが効果的なのか見ていきます。

 

 

6 非特異的腰痛に効果的な施術方法

 

ここでは病院・クリニック以外での効果的な施術方法について記載します。

 

① 筋筋膜性腰痛

 

~効果的な施術法~

鍼灸治療、鍼通電療法、あん摩指圧マッサージ師・柔道整復師・理学療法士による手技、温熱療法、電気療法(低周波、干渉波、ラジオ波、衝撃波治療器など)、超音波治療器、テーピングなど

 

急性期、慢性期によってアプローチは異なりますが、まずは原因となっている筋肉、筋膜の痛みを除去できる方法が効果的です。

 

上記のものは、筋肉・筋膜の痛み原因を除去することに適していると考えられます。

 

② 椎間関節性腰痛

 

~効果的な施術法~

鍼灸治療、鍼通電療法、あん摩指圧マッサージ師・柔道整復師・理学療法士による手技、電気療法(ハイボルテージ)、超音波治療器など

 

椎間関節性腰痛は、痛めている場所が関節付近なので身体の深部になります。

その為、施術も身体の深部まで届くことがポイントです。

鍼なら的確に狙うこともできます。

電気治療器も深部まで届かせる器械であれば施術対応になります。

 

また、姿勢の乱れや関節のズレに関しては、身体の構造を熟知した施術者による手技療法が効果的と考えられています。

 

③ 椎間板性腰痛

 

~効果的な施術~

鍼灸治療、鍼通電療法、あん摩指圧マッサージ師・柔道整復師・理学療法士による手技、運動療法、電気療法(ハイボルテージ)、超音波治療器、温熱療法(超短波治療器)、患部の固定(コルセット)など

 

急性期(ぎっくり腰)の場合は、椎間板に負担がかからないように安静にさせることです。その為、正しくコルセットなどで固定してあげることが有効です。

 

慢性の場合は、痛みを除去する治療だけでなく、姿勢の改善や筋力の向上など、根本的に負担がかからないように身体を変えていくことが必要になります。

 

その為、痛みを取ってくれるだけでなく、姿勢の悪いクセや運動指導なども改善してくれる医療従事者が求められます。

 

④ 仙腸関節性腰痛

 

~効果的な施術法~

鍼灸治療、鍼通電療法、あん摩指圧マッサージ師・柔道整復師・理学療法士による手技(関節運動学的アプローチ(AKA))、運動療法、電気療法(ハイボルテージ)、超音波治療器、温熱療法(超短波治療器)、患部の固定(コルセット)など

 

ぎっくり腰の中で一番多いタイプが、この仙腸関節性腰痛です。

 

このタイプに関しては、患部の痛みを取り除くだけでなく、ズレた仙腸関節の位置も治さなくてはいけません。

 

その為、仙腸関節を正しい位置に戻せるセラピストでないと対応が行き詰まることも…

 

しっかりと熟知して仙腸関節性腰痛についての治療方針と説明をちゃんとしてくれるセラピストであれば、信頼してもいいかとは思います。

 

 

また、①~④に対して、状態によっては骨盤矯正なども有効です

 

ただ、骨盤矯正も民間療法から派生した施術法の為、医療従事者免許を持っていなくても行われるので、信頼できるセラピストに依頼することをおススメします。

 

今回ご紹介した4つの非特異的腰痛のパターン以外にも腰痛を引き起こす問題があります。

 

それは、ストレス性によるものです。

こちらに関しては、改めて詳しく記事に出来ればと思います。

 

 

ここまで読んで頂きいかがだったでしょうか?

 

腰痛と言っても患者様、発生機序、状態などにより様々なパターンがあるという事は知って頂けたでしょうか。

 

レントゲン上では問題がない…でも慢性的な腰痛が治らない。

 

という方は、決してあきらめるのではなく改善させる他の方法はまだ残されていると思います。

そんな時には、当院のような鍼灸治療院などを一度頼ってみてはいかがでしょうか?

 

きっと何かのお役には立てると思います。

 

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