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ぶんのいち通信
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肩が挙がらない! それ本当に五十肩??

2018.07.03

◇肩が挙がらない! それ本当に五十肩??◇

 

~最近、肩を動かすと痛みを感じる。
前みたいに肩が挙がらなくなった。

こんな悩みを抱えている方も多いはず。
ただ、巷では「五十肩は放っておけば気づいた頃には治っているわよ」という話をしている人を耳にします。

今回は、五十肩に対しての正しい知識と行動について記載します。~

 

1 五十肩とは

その名の通りで、50歳前後の方がよくなる症状の為、五十肩と言われています。
40歳代の場合は四十肩なんて言ったりもしますね。

そんな「五十肩」と言われるようになったのは、なんと江戸時代から。※諸説あり

 

正式名は、肩関節周囲炎とされています。

 

そんな五十肩。
昨今に至るまでの間、さまざまな説が提唱されているものの実は、その医学的定義は明確になっていません。

五十肩を発症した方で、整形外科を受診した時に、こんなことを言われて経験はありませんか?

「レントゲン上は特に骨に異常はないですね。」
「MRI上では、腱も大丈夫そうだし、石灰もたまっていないね。」

 

たぶん五十肩ですね。

 

たぶんって…

と思われる方も多いかもしれませんが、これが五十肩なのです。

 

日々、進歩し続ける診断技術に伴い、腱板断裂や石灰沈着性腱板炎など、いくつかの疾患が診断できるようになってきました。

 

その為、画像上など特に問題点が診られず明らかな疾患を除外した結果、最後に残るのが,“いわゆる五十肩”という名で説明されるのが一般的になっています。

 

要するに現代の医学をもってしても、本当の五十肩の病態や原因は明確には説明できないのです。

 

ただ、五十肩にも諸説あります。

主な要因として、

■ 肩関節を動かしたり支えたりする腱の問題
■ 腱の動きをスムーズにさせる滑剤てきな役割をする組織の問題
■ 力こぶを作る筋肉が筋になる部分の問題
■ 肩関節を安定させる靭帯と筋肉の損傷、炎症

 

これらにより、肩を動かす組織が傷み、筋・靭帯が硬くなり、治りが遅くなったり、痛みなどで関節を動かさなくなったりしていくうちに「五十肩」になると考えられています。

 

具体的な症状として、

・40~50歳代に発症する
・肩の違和感から始まり、日を増すごとに痛みを感じ始める
・痛みのピーク時は、安静にしていても夜寝ていても痛みを感じる
・痛みのピークを過ぎると、肩を動かす動作ができなくなる
(ばんざい、衣服の着脱、髪を結ぶ、腰に手を回す、横に腕を上げると肩の高さで止まるなど)
・痛みはまったく感じないが、肩だけ動かない

 

これらの状態になり、整形外科などで五十肩と診断されれば、ほぼ間違いなく四十肩・五十肩の可能性は高いと考えます。

 

こうなってくると治るまでの期間はかなり長いです。

我々の業界では、半年から2年はかかると考えられています。

 

2 五十肩には、治るまでのステップがある

 

そんな五十肩ですが、実は治るまでの期間を主に3つの時期に分けて考えます。

 

1、 疼痛期(とうつうき)
2、 拘縮期(こうしゅくき)
3、 回復期(かいふくき)

それぞれ、その時期特有の症状や状態があります。

 

それに合わせて施術を行なったり、患者様自身も取るべき行動が変わったりします。

これらに関しては、整形外科医を中心に専門的な施術ができる医療従事者と共に施術を受ける必要があります。

ですが、五十肩ほど自己判断してはいけない疾患はありません。

肩が動かないから「それ、五十肩だよ!私も同じようなことあったよ。」なんて、お友達の言葉を鵜呑みにすると大変なことに繋がる可能性もあります。

 

3 その症状…五十肩ではないかも

 

先ほど、五十肩の特徴的な症状を書きましたが、五十肩以外でも似たような症状を出させる肩の疾患はたくさんあります。

一般の方が五十肩だ!と自己判断しやすい代表的な肩の疾患。

・腱板断裂(部分断裂)
・石灰沈着性腱板炎

これらは、非常に似たような症状を出させますが、明確に違う症状もあります。

 

~腱板断裂の場合~

・60歳以上で自然発症することが多い
・手を着いたり、肩をぶつけたりなど外傷・ケガ後から肩の調子が悪い
・痛めている肩周りのボリュームがなくなった、筋力が落ちた
・腕を上げる動作で力が入らない、挙げられるけどキープできない

腱板断裂(部分断裂)の場合、特にポイントなのが

 

①年齢 ②外傷性です。

 

年齢だけでの判断は良くないですが、60歳を過ぎてからの五十肩のような症状を感じた場合は、腱板断裂、部分断裂の可能性の方が高いとみています。

 

理由は、肩関節の構造上、腱と骨が摩擦しやすくなっているため、長年のダメージにより腱が切れやすくなっているからです。
また、年齢的に腱が弱くなっているのも原因です。

 

②の外傷性に関しては、年齢関係ありません。
打ちどころと衝撃によっては、若い方でも断裂する可能性はあります。(若い方は腱がしっかりしているため、腱より肩の軟骨損傷の方が多いです。)

①と②が当てはまる場合は、五十肩ではない可能性が高いので注意しましょう。

 

~石灰沈着性腱板炎の場合~

 

これは、肩の腱と骨の隙間や関節部分などに、カルシウムなどの塊が溜まり引き起こす疾患です。
この疾患の一番のポイントは、「激痛」です。
たぶんですが、今まで感じたことの内容な激痛が肩を襲うと思います。

そして、どんな姿勢をしていても激痛。夜も激痛で寝られないなどが特徴です。

 

期間にして発症から1~4週間ほど続きます。

また、この疾患は年齢やスポーツなど関係なしに突如、痛みに襲われます。

 

石灰は体質的なところも1つありますが、どんなに健康な方でも起こりえます。

こんな症状に見舞われたら、病院に行かない人の方が少ないと思いますが…

石灰が溜まってしまった場合は、自力では難しく、炎症を抑えてもらい石灰を解かせてもらわないと症状は緩和しないことの方が多いです。

ただ、上記のような症状を抱えているのにもかかわらず、整形外科などにいかずに自己判断でどうにかしようとしている患者様は正直、よくみるのが現状です。

自己判断せず、正しい行動が完治への近道です。

 

4 肩が痛い…正しい行動とは?

 

では、肩の痛みを感じたらどのような行動を取るべきなのか?

まずは整形外科に受診しましょう。

肩の疾患は、診断技術が進歩しているため原因を特定しやすかったりします。

欲を言えば、肩関節を専門的に診ることのできる整形外科への受診が理想的です。
今はレントゲンだけでなく、超音波検査器(エコー検査)なども用いて、骨だけでなく腱などの組織の状態も観察できます。

また、必要に応じてMRIなどがとれる、大きな病院への紹介もしてくれると思います。

もちろん、普段通っている整骨院・接骨院、鍼灸院・マッサージ院などでも最初はいいでしょう。

これらは、国家資格を持っている医療従事者がいますので、適切な処置や評価次第では、病院への紹介もしてくれはずです。

 

肩の症状は、複雑でどうしていいか分からない方も多いはず。
ただ、しっかりと肩の状態を整形外科などで把握したうえで、適切な処置や施術を行うことが一番、重要と考えています。

 

肩が挙がらないから、すぐに五十肩と自己判断せず、正しい知識と行動をとってくださいね。

 


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